投稿

3月, 2010の投稿を表示しています

健保改革法案が通ったものの、アメリカ経済の足跡

イメージ
懸案の健康保険改革が上下院を通過し、すったもんだの末に成立した。 ニューヨーク近辺在住の冷泉氏は「現在の健康状態に基づいて保険会社が加 入を拒否できない」「被扶養者の若者は26歳まで親の保険に加入が可」「無保険者 が個人で保険を購入する際には公費補助」改革の目玉といえる三点を評価していた。 マサチューセッツの州民としては、新健保は別に画期的でもなんでもない。 皮肉なもので、同州の知事が共和党だった時代に成立したマサチューセッツの健保システム が今回、国で可決した改革健保のモデルとなるとのこと。 すったもんだの間には、健保改革を押し進めようとする民主党と共和党のしのぎ合いでは、 オバマ政権は 公的健保のシングルペイヤーの導入を見送り、 ガバメントオプション案も殆ど拒まれ、 マサチューセッツ州の現行の健康保険どまりになった。 しかし敢えて,本改革が今までの流れを変えたと評価するなら、 マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」でも取り扱われた 巨大になった保険会社を規制出来る枠組みが出来た事くらいか。 またあるブログではこれは米国の社会主義化かと懸念したような口ぶりで本改革を揶揄している。 そんな人には「社会主義をどうして恐れる」と聞きたい。 欧米も日本も多くの人々が お上に暮らしをコントロールされることを嫌う節がある。 では、こうした人たちは建前自由主義の中、企業に自分の暮らしを左右される事をなんとも介さないのだろうか。 アイゼンハワーが大統領を去るとき、予言したように、自由市場に飛び込む事は、 個の利益を第一に考える、他人の利益、社会全体の厚生は二の次だということか。 以前の資本主義の対極にあった共産圏の中国だって、建前は共産主義、全体の福利なのに、結局自国の利益を第一として、外向けには現物で自由市場を思いのままに動かしていた。 民主党のクリントン政権がようやく国の財政を黒字に転換したと思ったら その後の8年間の共和党のブッシュ政権で戦争を2回も起こしたものだから、 財政がまたまた赤字に転換させられ、しかも支出先が明らかにされなかった。 だから、 この健保改革にともなう大きな財政負担は痛い、しかし自分たちの払う税金の使途の 行く末がわかるので、こちらも納得するというものだ. と、確定申告の季節に考えてみた。 あーーーまた今年も確定申告の季節がやって来た。連邦と州の申告をよ

お彼岸に学ぶ縁と先人たちの叡智

イメージ
祖国日本に想いを馳せながら,日本の年中行事、正月、節分、お彼岸をアメリカの地で 味わっている自分がいるかとおもえば、 インディアンの友人に「イニシエーションも済ませない限り、あなたは真にこの亀の島Turtle Islandの地(北米大陸の事を最初に日の出をみる部族、ワンパノグ族のメディスンマンや長老は呼ぶ)の住人になれない」 などと冗談まじりにいわれ、 それもそうだなとぼんやりと考えたりしている。 先回の投稿のごとく、緩やかな春の訪れを喜んでいる自分を発見していた。 フーン、米国には日本のような季節ごとの味わいがあまりないと思っていたけど、まんざらでもない。メイプルシロップの季節もこんなに味わい深いんだーー。 ここ2−3日、さらにまた不思議な展開になってきた。 アイリッシュ系アメリカ移民の曾祖父母をもつ米人夫と アイルランドのお祭りセントパトリックデー(3月17日)にちなんだコーンビーフの材料をなぜか買ってしまった。 一度もアイルランド料理に挑戦した事も、アイルランドへ行った時でさえ、正当なアイルランド料理等食べた事がないし、彼の実家でも頂いた事がなかった。 なのに、 大大成功なBoiled Corned Beef and Cabege コーンビーフが出来、とてもおいしくおいしくいただいた。 どのインターネットレシピーもピクルス用のスパイス使用と書いてあるが、近所の店にはなくて、 マスタードシード、粒こしょう、デリ、クミンを既にある程度下ごしらえしてあった地元産ビーフに練り込んで 2時間半似るだけ、。 あははは、これは私の腕ではなく、下ごしらえされた材料がきっと絶品だったんだろう。 そうこうする内、アイルランド直系の叔母他界のニュースが入って来る。早速、昨夜葬儀に参列してきた。 これで3人の兄姉を亡くし残された叔母と叔父は、それでも日本で言う葬儀の後のおとき 夕食会で、自分や娘たちを出汁に面白おかしく話しをして大笑いしていた。 私もはじめてこの家族と心の底から笑い、 死者を弔う事が出来た夜だった。 アイリッシュ家族の典型で、大家族の叔母や叔父を始め、夫の並みいる従兄弟にもそのこども達にも認められたと感じた一時だった。 コーンビーフのおかげかな。 義母や叔母たちが中心となって集まるレイバーでーのお祝いに

春が来た 〜五感で春の訪れを身近に〜

イメージ
今朝、メイプルシロップ工場:Sugar houseへ家族ででかけ、パンケーキにその場で作ったシロップをのせて食べて来た。ピクニックテーブルに老若何女まじりあい、自宅で買って来たメイプルシロップを使うのとどこが違うかと言えば、パンケーキを甘〜〜〜い香りに包まれながら頂くところだ。ファンシーなレストランでなく、本当に掘建て小屋みたいな、小屋で黙々の煙に囲まれて、ご近所さんと相席で頂く。 パンケーキ、ワッフル、フレンチトースト、メイプルドーナッツ、メイプル綿菓子しかないメニューだけど、 メイプル農家の家族総出だけの家内工業、どこのシロップ工場も混んでて1−2時間待ちになる。 それでも、近所の客はみな忍耐強く甘い香りに包まれながら、春の訪れを喜び合う。 さらに犬の散歩に、まだ雪が多少残る裏山を歩いてみる。 大地の息吹が、足下から感じられる。柔らかい感触。 赤い小鳥、カーディナルが白黒の林の景色に映えて、飛んで行った。 どこからか、小鳥の愛の囁きを連発する鳴き声、 あっちの丘では鳥の大群がマイグレーションの準備をしている。旅支度のはじまりだ。 1、春が来〜た〜、春がき〜た〜、 どこへ来た? 山へ来た。里へ来た。野へも来た。 2、鳥がな〜く〜鳥がな〜く〜 どこで鳴く? 山で鳴く、里で鳴く、野でも鳴く。 3、花が咲〜く〜、花が咲〜く〜 どこで咲く? この続きをアメリカは冬の長いニューイングランド地方の日本語を勉強する高校生に、歌詞を作らせた。 すると、 4、雪がとけた、雪がとけた、どこでとけた? 5、風がよぶ、風がよぶ、どこでよぶ? 6、シロップのかおり、シロップの香り、どこから香る? 7、熊がでた、熊がでた、どこへでた? 8、草がはえた、草が生えた、どこで生えた? 9、鳥がとぶ、鳥がとぶ、どこへとぶ? という具合に、彼らたちは、春の訪れを感じているようだ. そろそろ、モグラが顔を出すかなと、庭の洞穴を覗いてみる。畑作業を邪魔されてばかりいたのに、 いないとなると少し寂し気、また戻って来るだろう。 そう我が家の裏の畑には、狐の洞穴があった。 「なぜ、狐って分かるかって?」 息子が幼い頃、そっと覗いていたら、逃げ道を作っていた狐がそちらから逃げて行ったから。 畑の周りはじめじめとした地面に、緑の苔が顔を出している。 毎年長い長いと感じてた冬もまんざらでもないな。こうして春の訪れをし