健保改革法案が通ったものの、アメリカ経済の足跡
懸案の健康保険改革が上下院を通過し、すったもんだの末に成立した。 ニューヨーク近辺在住の冷泉氏は「現在の健康状態に基づいて保険会社が加 入を拒否できない」「被扶養者の若者は26歳まで親の保険に加入が可」「無保険者 が個人で保険を購入する際には公費補助」改革の目玉といえる三点を評価していた。 マサチューセッツの州民としては、新健保は別に画期的でもなんでもない。 皮肉なもので、同州の知事が共和党だった時代に成立したマサチューセッツの健保システム が今回、国で可決した改革健保のモデルとなるとのこと。 すったもんだの間には、健保改革を押し進めようとする民主党と共和党のしのぎ合いでは、 オバマ政権は 公的健保のシングルペイヤーの導入を見送り、 ガバメントオプション案も殆ど拒まれ、 マサチューセッツ州の現行の健康保険どまりになった。 しかし敢えて,本改革が今までの流れを変えたと評価するなら、 マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」でも取り扱われた 巨大になった保険会社を規制出来る枠組みが出来た事くらいか。 またあるブログではこれは米国の社会主義化かと懸念したような口ぶりで本改革を揶揄している。 そんな人には「社会主義をどうして恐れる」と聞きたい。 欧米も日本も多くの人々が お上に暮らしをコントロールされることを嫌う節がある。 では、こうした人たちは建前自由主義の中、企業に自分の暮らしを左右される事をなんとも介さないのだろうか。 アイゼンハワーが大統領を去るとき、予言したように、自由市場に飛び込む事は、 個の利益を第一に考える、他人の利益、社会全体の厚生は二の次だということか。 以前の資本主義の対極にあった共産圏の中国だって、建前は共産主義、全体の福利なのに、結局自国の利益を第一として、外向けには現物で自由市場を思いのままに動かしていた。 民主党のクリントン政権がようやく国の財政を黒字に転換したと思ったら その後の8年間の共和党のブッシュ政権で戦争を2回も起こしたものだから、 財政がまたまた赤字に転換させられ、しかも支出先が明らかにされなかった。 だから、 この健保改革にともなう大きな財政負担は痛い、しかし自分たちの払う税金の使途の 行く末がわかるので、こちらも納得するというものだ. と、確定申告の季節に考えてみた。 あーーーまた今年も確定申告の季節がやって来た。連邦と州の申告をよ...