こどものからだ、ヒトの育成
ゆとり教育を受けさせたいという訳ではなく、
こどもが豊な感性とこころをはぐくみ,
ヒトとしての成長をコミュティーとともに
考えていける教育環境をと
アメリカへもどって来た。
上の息子が小学校に入学したのは、アメリカのシュタイナー教育をうたった幼稚園部から高校まである学校だった。
それまで日本の保育園でも、さくらんぼ保育園の系列で,竹林の中からだ作り、特に運動会では機械音を避けるため、グランドピアノまで外に持ち込んでまでの運動会、テレビ音をよせつけない環境だったので,スムースに転入できた。
小学校から、外国語としてフランス語、ドイツ語がカリキュラム内にある一方で、フォームドローイング、水彩、手編み、裁縫といったアート系のクラスがおおく、コーラス、ストリング、オーケスと音楽系に、農業、家畜の世話,養蜂、自然観察が中学年から始まる。表現を身につけるオイリュトミーや体育としての空間バランスクラス(和えろダイナミック)クラスも週に2日づつあるので、アメリカの他の学校と比べてアカデミックの教科が足りないと心配する親もいる。
しかも成績はクラスの中の位置づけではなく、一人一人の生徒が何をがんばり、何を注意するかを5段階評価ではなく、絶対評価をしていく。この成績は中学部まで子どもにはみせず、親が何を伝えるかに注意がある。
そんな学校にかよう我が子どもたち、
それでも高校,中学になると、自分がクラスの中で相対的にどの位置にいるか、
自分の成績が5段階や100%の評価でどのくらいの絶対評価を受けているか気になってくるらしい。
とくに息子は向学心からの競争心が旺盛なので、文章でこと細かく判断されるより,数字で評価されることも要求する様になって来た。
先日希望者のみ、SAT日本で言うセンター入試 (大学共通入試で、科目ごとではなく、理解/分析力、書く力,数学を総合評価する)近くの公立高校まで模試を受けにいった。
普段、息子は自分の学校の諸先生から評価もいい。
しかし彼としては,対外的に自分はどの程度評価されるのか気になるらしい。
既成の教科書を使わないで、自分でイラストをいれ、レイアウトを考えて自分だけの教科書づくりがある。ノートまとめ、レポート提出の宿題があって,学習習得確認のクイズが単位ごとにある.
(単位とは3−4週間がひとつのカリキュラム単位で,
幾何学、歴史、文学、化学,物理、図形学、生物、国際政治、演劇、などなどを
午前中,2時間休みなしで勉強していく)
しかしこれとて,対外的に評価される学力テストとは様相がちがう.
私が教えていた公立学校のように2ヶ月もかけて、大学入試予備試験のSATをいかに受けるかで授業をつぶさないので、その対策がわからないらしい。
つまるところ、時間の制限内で問題を解くという事が苦手のようである。
また時間的なストレスをあまり受けていないので,簡単な問題なのに、深く考えてしまう。
SATは日本のセンター入試と同じで、一度に大量の生徒を単時に評価しなくてはいけないから、
落とし穴や、統計の結果でどんどん子どもたちを段階分けしていく。
息子は自分の結果が思ったほどでなかったので、かなりおこっていた。
先生に対して,テスト対策のための授業をするよう不服を漏らす。
この一定の時間内に問題を分析し、思考力、応用力を駆使して、
総合判断する能力は訓練すれば、ある程度上達するだろう。
それが日本を始めとする東アジア諸国の教育熱であり、アメリカの昨今の大量教育組織内に多く見られる学力判断テスト重視の教育事情だ。
しかしそれらの教育は,子供たちにいったい何を課すのだろう
こうした一定の時間内に問題を即答できるようにする訓練は、
いったい子どものからだ作りに脳の発達にどんな結果をもたらすか?
この訓練というしろもの、日本では塾や、補習、受験校が非常に情熱を費やす代物。
アメリカでは、プレップ受験校、公立学校がこれにあたる。
この訓練は、取りも直さず、体全体にストレスとなって
ホルモンにまで、影響すると以前から考えていた。そしてたまたま日本から近くの大学院に博士として研究にやって来た医師に興味半分で尋ねると、「思春期の男性/女性ホルモンはかなりストレスと密接に関わっている事がわかってきた」とのこと。
現に、勉強勉強でおわれている進学校の同年齢の子は、言動も精神的に幼いのに、声変わりも初潮が’妙に早く、背丈もひょろひょろと伸びている子が多い。
このストレスをあまり受けて来なかった我が子どもやその友だちは、背丈や上背はあるのに、
成長ホルモンが、他の学校の子より、開花するのがずいぶん遅い。
思春期になるのも、背丈や体が急に伸びるのも、
できるだけ遅い方が良いとシュタイナー学校では説いているようだ。
ちなみに世界中に広がるfacebookというインターネットネットワーク(日本のミクシみたいなもの)
シュタイナー学校卒業生が7000人以上もグルプーメンバーがいるブログをみると、
かなりの各国(アフリカ,ヨーロッパ,オーストラリア、北米,南米)の卒業生がクラスメートの
背の低さを訴えていた。
いつも純粋にどうしてだと、先生や親に疑問を投げかけ、
先生や親たちは、この問いに真剣に応じる。
「また後でね」「今忙しいの」とは言わず、
「それは面白い視点ね、一緒に考えてみよう」とか、
「あなたは、どう思う?」と切り返してみたり、
「こうして見たら、違う見方ができるかも」と
答えを出すんじゃなくて、提案するし、少人数クラスだから、考えや答えを
ひきだしていく。
たとえこどもが即答を求めても 丹念に気長に話をする。
このシュタイナー教育の特徴として,テレビ電子機器をできるだけ、長い間遠ざけることが
家庭にのぞまれる。これらの電子機器も、ストレスの原因だと考えられる。電磁波の心配だけでなく、
まだ、自分で受ける情報を制限できない幼児には、かなりのストレスを課す。
こうした教育思想をはじめた、シュタイナーは、こんなことも言っている。
子どもの時にどんな教育をうけたかで、
大人になって、とくに
40年以上の壮年になって、体に現れてくる。
ゆとり保育、ゆとり教育は、大学受験で
結果が出ないこともあるだろう、
でも詰め込み教育は、ストレスとなってのちのその子の人生に
からだの影響となってあらわれるのでは、ないだろうか。
娘の誕生パーテイーで、はしゃぎ回る無邪気な女の子たち。まだまだ幼い。
お久しぶりです!!夏にお世話になった麻美です☆
返信削除おぶさたしてます。
私も、日本の教育は見直しが必要だと感じる今日この頃です。
いわゆる「病んでいる」子どもが多いです。
感受性はどこに・・?と感じることが多々あります。
やはり根本に、ゲームや携帯などの電子機器、そして、
学校という組織等様々なものに束縛された環境から来るものなのだろうと思います。
美しいものを美しいと言える
泣きたいときにしっかり泣ける
人間らしさを取り戻す教育がこれから必要ですよね。
コメントありがとう.
返信削除こうしてコメント,意見をいただくと,ますます書いてみようという気にさせてくれます.
教育とは,受けるものの頭だけの育成ではないはず,
もちろん環境も大事だし,やる気の問題も教える側に大いに考えなくてはいけないことですよね.少子化が進む今,やはり教育内容,(学力テストの結果だけをみるのでなく),そしてその環境の多様化と充実が必要でしょう.
今後も,ブログごひいきに.
来年もよい年になりますよう.