「高齢化社会」にむかう日本の商品開発に問う, 高齢者のニーズにあった商品名、介護用品を

「高齢化社会」にむかう日本の商品開発

ここ数年、日本に帰るたび、あらゆる会社名、商品名が、カタカナやアルファベット、さらにJapaEnglishジャニーズイングリッシュで書かれているため、戸惑う親たちの世代を目の当たりにする。

Softbank, au, NTT, Docomo, wifi, Commufa, 光ファイバー
Skype, Facebook, iPhone, Apple, 
BS, Digital, CS回線 WOWOW, スカパー
Exxon, Mac、Windows, HP, 
JR東海、JR東日本、JAL, ANA,
Valor,VーDrug, Seiyu、Seven7Eleven, Family Mart, MiniMart、
Lion, Kosei, PG, Frontier, Maxwell, Pioneer, Hitachi, Sharp, UFJ 銀行、
フランスベッド、Simons、
Washington Hotel, Hilton, Marriott, Fairfield, Dormy Inn, Toyoko Inn, 

田舎の親たちは、戦前、戦中、英語を敵国語として教えられ、田舎でろくに 教育もうけず、農民であるのに田畑の作物穀物は軍に没収され、食糧貧窮時代に幼少時代を過ごしてきた世代だ。1940年代のGHQ米軍占領 時代を体験し、1950年代神武景気、1960年代の学生運動に世の中は動き、70年代は安保闘争やオイルショックとマスコミに躍らされ、1980年代から始まる環境破壊、反原発市民運動に暮らしのエネルギー源に疑問を抱くようになり、1990年代バブル経済を経てきた。経済は大きく変動を続け、教育や思想の根幹を右往左往の揺るぎ続けた激動の昭和を生き、平成に入ると物の豊かさを知る暮らしを享受し、退職した世代である。現役を退き、認知症をかかえるものも少なくない世代でもある。

ここにきて、私自身も親の介護に携わり、つくづく感じるのは、「日本の企業人らは、自分たちもやがて老いていくことを考えず、商品開発をしているじゃなかろうか、利用者の年齢幅には一人暮らしの老人だの、認知症を併発した老人は想定外じゃないか」ということだった。

同級生の葬儀に参列して再会した旧友から、また親の介護を経験してきた友人たちから最近介護の話をよく聞くようになった。という私の親も現役を10年前に退き80代半で日本で一人暮らしをしている。

親の暮らしぶりを見て、非常に不安に感じることが最近多々あるので列記したい。近頃は老人も、日常の消耗品はコンビニや、横文字のスーパーで買い物を済ませる。近くの八百屋は世代交代で閉まったか、大手のスーパーに客をとられ閉店に追いやられたから。しかしスーパーに行くのも、老人には一苦労だ。町の中心地に住んでいても、スーパーは大抵駐車スペースが奮段にある郊外なので、免許を返上してしまったか、もしくは別居している家族から運転を止められているので、近くのコンビニで買い物を済ませることになる。しかしこのコンビニで売られている商品は、ほとんどが横文字か、欲しい商品が確認できないような包装のものばかりだ。
例えば、歯磨きチューブに洗顔料は小さな文字で書かれ、それが一体なんの商品かわからなくて、一緒に洗面所においておくと、間違えて洗顔料で歯を磨いてしまう。歯磨きには大きく「デンタルガード」と書かれたのみ、洗顔フォームには「泡でキュッキュ」とかの包装で、よくわからないので、大きくマジックで『歯』『顔』と書いておいておく。私でもメガネをかけないと読めない字で微かに洗顔フォームと書かれてある。

さらに、一人暮らしの父親が英字の請求書を前にとまどっているのもよく目にしてきた。まずそれらがなんの会社かという説明から入る。たとえば、こちらがいくらwifiを設定しておいても、わからない請求はさっさと解約してしまったり、まちがってTVを解約してしまって慌てたことがあった。

また日本ではこれまでの後見人制度に変わり、信託制度が新設され、地方の司法書士事務所によれば「どこの老人宅も似たり寄ったりでかなりの人が、商品名や会社名に不明確さに戸惑っていますよ」とのことだった。そこで、本人確認が必要な書類作成がいるため、来宅されるよりiPhone のFaceTimeビデオ電話を利用し確認できないかと勧めてみた。すると地方に住んで、なおかつ80を過ぎてFaceTimeを使いこなしている老人がいるなんて聞いたことがないとまで言われた。我が家ではもう10年来、米国東海岸に住む私ら夫婦と孫息子や孫娘と誕生日や事毎の連絡にビデオ電話を使うように、父や母はiPhoneを使用している。日本でよく使われる電話番号に紐ついているLineは今でこそLineUSAができ、アメリカの番号でも使用できるが、10年前当時はLineどころか Facebookのメッセンジャーや、what'up , skypeなどとても使える状態ではなかったので、ずっとFaceTimeで連絡を取り合ってきた。  

上記にあげた社名、店名がどこまで理解しているかは、不明です。よりわかりやすい具体的な商品名と会社名を考えていただくか、付記することをお勧めしたい。これから日本はますます高齢化に向かって突き進みます。そんな中、よりよい商品名、老眼にもわかりやすい包装表示を求めます。

昨夏、旧知のお年寄りの友人をアメリカの老人介護施設や、九州まで訪ねた。どちらも90を齢を超え、40ー50を過ぎてからアメリカに渡ったり、4インドから日本に戻ってきたりした日本語が母語のお年寄りです。みな日本語で話しかけないと、反応してくれませんでした。英語やヒンドゥー語を忘れてしまっていましたから。そう年をとると、昔のことはよく覚えていますが(ロングタイムメモリー)、近年のことはどんどん忘れていきます。あれほど日常使っていた言語でも忘れます。


こんな風な染料や、洗顔料はやめてもらいたい。

さらに介護ベッドだが、それまで入院し一日10ー13時間の点滴抗がん剤治療を受けていたが体力を消耗甚だしいので中止し、放射線治療に変更と同時に介護認定を受け、要介護がでたので在宅ケアに変更し、それまでの入院と同様の快適なフランスベッドの介護ベッドで寝たいという父の希望で、いくつか販売店でベッドに横になって体験して3モーター(高さ、頭部、脚部が動く)付き電動式ベッドをシモンズ社より購入した。本人は当初20年来寝ていて酷く腰のあたりが窪んだジェルベッドに代わり、介護保険のリースではなく病室にあるフランスベッドを強く所望したが、退院と同時に欲しかったのに、納期が2ヶ月後で、展示品でもいいと言うものを展示品売れない、搬入には分解して納品できない、売れないという「できない、ない、ない」とばかりの東京インテリア店とは、ビジネスをしたくないので、地元のアフターサービスがしっかりした家具店より日本にも工場があり、米国シモンズ社が保証が確実で、直ぐに納品できるシモンズ社のセミダブルベッドを購入した。その時、いくつからシモンズ社の販売社員と質疑応答する中に、この人たちは介護ベッドを販売しているのに、介護される利用者のことをあまりに知らなさすぎると勉強不足を指摘した。
まさに商品開発、包装部分、ネーミング以前の問題で、商品の技術開発にすこし不安を残した。例えば、もし非常事態、電気系統が故障した最悪の場合は、最低でもフラットになるとした。有線のコントローラーを希望したが、「コントローラーを無くさないよう、紐でベッドのここらにくっつけておいてください。」と回答するのみで、年寄りがボタンを頻繁に押すかもしれない行動パターンは想定外だった。すると1ヶ月後に突然、TVをみた姿勢の頭部傾斜20度のまま、元に戻らなくなった。寝返りは打てないは、寝不足になるやらで、利用者の苛立ちが募るばかりだった。もうすでに以前利用していたベッドは処分してしまったので、取り替えずわけにもいかず、早速シモンズ社に連絡を入れると、アフターサービスの営業員がやってきた。こちらが三人がかりでやった同様の作動確認をするのみで、故障箇所が見つけられずに帰っていった。さらに技術者と経営陣をよこすように言ったが、また再三の技術者をよこすようにとの要望に応えず、謝罪のみで乗り切るつもりでいたようだった。結局数日後に、また別の営業マンと搬入社員のみで来宅し、新品と機械部分すべてを交換するため数名でやってきた。解体、組み立てを繰り返し、完成品をまた作動して見ると、停電時や自動一人歩きロボット掃除機をベッドに下に潜らせたりしてみた結果、また作動が止まったままになった。よって商品の保証に責任がもてないと回収して全額返金になった。
介護用品を売る販売員、技術部門が、みずから利用者の立場に立てない商品開発には、大いに疑問と不安が残る。




高齢化社会にむかう中、介護用品だけではない、もっと高齢者の立場にたった、一般日常品の商品開発が求められる。





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