ストラジティックプラン戦略的・抜本的経営改革が求められているアメリカの私立高校/大学

経済が悪化し、経営が窮すると日本では「リストラ」ということばが其の年の流行語になるほど世を風靡した。
「リストラ」=首切りと日本社会ではとる風潮があった。「リストラの対象です」と名指された社員、契約社員は、自身の雇用存続がなくなると憂いてた。しかし「リストラ」はもともとReconstruction 再建の訳であるはずだから、「リストラ」イコール「雇用削減」ではないはずだ。このReConstruction ではなく、最近Strategic Planという経営改革用語を高校や大学という組織で働いていると耳にする。

実際、アメリカでも大企業の人事畑で働いていた義兄は映画「アメリカンファミリー」よろしく、数年単位で仕事先を転職し、90年代から2000年当初、次から次へと多数の人員縮小を会社の方針として強行し、また別会社でも同様の人員縮小の目的で雇われ、別会社でも強行してきたようだ。企業という組織は利益を得る組織でそれが目的なわけだ。

一方、学校、特に私立の小中高や大学というところは、経済が悪化するその荒波をまともに受け止め経営に反映されやすい組織である。収入が少なくなれば親達は、お金のかかる私立学校に子供送らなくなるからだ。しかし私設企業のように人員整理をして学校組織そのものの質の低下を招く訳にはいかない。なんせ学校の売りはその人員、教師の質であり、施設や環境であり、教育の質なのであるから。



私は、私立の保育/幼稚園から高校まで国際的に広がるある教育理念のもとに一貫経営されている高校で、さらに元々は慈善事業の盛んなキリスト教系のリベラルカレッジで働いている。その間にこのストラティジックプランを何度教員として説明されたか、ここでこのストラジティックプランとはどんなものをさすのかご紹介したい。

まず、それぞれの学校にはBoard Member 理事会がいる。学校組織には教師や校長、事務・学務・学生課の人事とは別に経営的関わっている内部監査の役目をする理事会がある。高校でも大学でもどちらでもこの理事会が言うことには、神経を峙てている。

こうした私立学校が企業や公立の学校と違うのは、この二つの学校に限ったことではないだろうが、上記の事実とは裏腹に自分たちの組織は盛んにボトムアップBottom UP であって、トップダウン  Tob Downではないと叫んでいるところだ。これは命令系統、アイデアや計画はあくまで組織として上の力があるものが命令指示する形ではないと謳っている。

 この戦略的プランの中で、一体どういったことが話し合われているか。基本的には、自分たちの学校が如何に人(生徒)を集められる魅力的な団体かをアピールする計画である。即時の経営危機には瀕していないものの、既存の組織を根本的に見直す必要があると、どちらも入学者数がひり続ける中で、どうしたら入学者をあげるかを理事会のみならず、教員も職員も親も話し合いに参加する。其のためには、魅力的な施設の充実、教育カリキュラムの見直し、宣伝効果をあげる奨学金、教員の研究費の増大。等をあげている。
さらに具体的にみていきたい。







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