6/18/2010

ワールドカップが南アではじまった

夏休みが始まった、そしてワールドカップがはじまった。
ここアメリカでも、スポーツバーで、街角のカフェで
サッカーファンならずとも、スクリーンの前で
応援エールのかけ声があちこちで聞こえ、街に、家々に興奮した人々の熱気が伝わって来る。

アメリカでのサッカーは、野球やフットボール、バスケにくらべて下火なんて
国外では信じられている。

いやいや、なにをなにを
小中高どこの学校もサッカーファンは,課外活動やサマーキャンプ等でも他のどんなスポーツをもしのぐ。
しいていえば、そうしたイメージがあるのは、プロ野球チームやプロアメフトチーム、ブロバスケにプロホッケーチームの陰謀といわれている。確かにプロサッカーのスポーツ番組の放映は上記のスポーツ観戦にくらべて少ないが、子どものサッカー人口、親の熱心さは野球他どのスポーツにも勝る。

移民の国、アメリカで一世といえば日系人の場合は、日本でうまれたあと、米国へやって来た移民を指すが、
米語でいうファーストジェネレーションとは、アメリカで生まれた最初の世代という意味だ。
オバマ大統領しかり、アメリカで活躍しているサッカーちびっ子も
このファーストジェネレーションが活躍する。

とくにアメリカでのプロサッカー熱はガーナ出身でアメリカへ8歳で移民してきたアドゥーが14歳でプロ入りしたときに、かなり盛り上がった。かれは既に10歳でその才能が認められ、インテル・ミランなど欧州列強からもオファーがあったそうだ。このアドゥーをめざせとばかりに、数年前からサッカー熱はますます盛り上がって来た。8年前にもこの近くでワールドカップ女子の試合があった。息子たちはわざわざスタジアムまで観戦に行き、すっかりサッカーの虜に鳴って帰って来た。しかしそのときより先日W杯直前の(ワールドカップに客を呼び込む為の親善試合)ナショナルアルジェンチンチームとナショナルアメリカチームの試合はさらにチケットが売り切れになる満員盛況だったようである。

日米のちびっこサッカーに息子が参加していたことを振り返ってみても、サッカーママはどこの国もとても熱心だ。省エネと時間の問題で、遠征試合に息子の送り迎えを他所の親によく頼んだ。
しかしこちらも頼んでばかりでは申し訳ないと、たまには送りましょうかと、
アメリカでも日本でも申し出ると、どの親も毎回子どもの遠征試合は絶対見逃さないという気負いである。
もうとても熱心に応援し、姿勢がちがう。
米国の州代表チームを決める試合にでられる出場資格のあるプレミアムチームに息子が席をおいてた時などは、
一部の親は熱心のあまり、興奮して相手チームをなじり、駐車場へ退場を何度もくらっていた。
とほほ、子どもにそんな姿をみせられないと思うのだが、

必死な親はどこにもいる。
ポルトガル移民の子、
カリブ海の移民の子が、というより親がとても熱心で、かわいそうになる位
息子たちは失敗するとなじられていた。彼ら親もいろんな理由でアメリカに移民に来たにせよ、
サッカーの文化は、こうした彼らからアメリカでは盛り上がっていくのかもしれない。

今日も2010年南アW杯、アメリカvsスロバキアチームの試合があった。息子の友達らと観戦していたが、
面白いのは、スポーツ番組で雇われたイギリス人のニュースキャスターは
散々アメリカチームをこき下ろしていた。まだまだ上達の余地ありといって、
でも、アメリカチームが同点ゴールを入れたとき2−2で、まさしく洗練しきったゴールだと褒めちぎっている。
アメリカチームの行方が面白くなって来た。イギリス並ぶほどのチーム戦績だと言われだした。どうなるだろう。
早速、こどもたちのソーシャルネットワークfacebookでは、この試合で持ち切りだ。

一方、4年前ドイツでのW杯に応募してスタジアムで観戦して来た。その様子が、今月の
ブログタイトルに使用した写真である。 ドルトモント・スタジアムにて予選トーゴvsスイス戦の試合に繰り出した様子。

まだどこのチームとどこのチームの対戦か分からないままにとにかくW杯チケットをインターネットでパスポート情報と応援チームアフリカの小国の名前を書いてFIFA公式サイトで応募した。ドイツの友人たちはすべてこのインターネット応募に外れてしまったが、私たち家族は4人分のチケットを入手でき、友人に送られ検問ゲートを何度も通ってスタジアムに到着した。

スタジアム内に到着すると、興奮が伝わって来る。もうもう
敵味方なく抱き合う、私たちはスタジアム一杯の59900人のスイスの応援団の中、マイノリティーなアフリカの小国のチームの応援だったのに、隣の人とおたがい母国語でない英語で、ウェーブの打ち合わせをしり、ハイファイブなどといって手を叩き合った。

ドイツ国内は駅でも、アウトバーンのドライブインでも、人が数人集まればすぐ「オレーオレオレ」が始まって、街中にこだましていた。 その後、この2006年W杯準決勝や決勝戦はイタリア、ギリシャで観戦してきた。
アテネでも、ローマへの列車内でも、小さな街角のカフェも大きなスポーツバーも、歩道にまで巨大スクリーンを張り出して客サービス、またはサービスそっちのけで、みんながサッカーを介して一つになってエンジョイしきっていた。

そんな中、2006年ドイツW杯で目についたのは、前W杯の共同開催国の一つである韓国人の多さ。国が豊かになった現れだろう。スタジアムのある街の近辺にはヒュンダイ製のタクシーやW杯公式車が行き交っていた。空港も団体で韓国人が応援にやって来ていた。80−90年代に目にした日本人や米人、英人、ドイツ人のバックパッカーが欧州やインドを闊歩していたが、この2006年には欧州どこでも、韓国人バックパッカーにお目にかかった。オリンピックよりお金が動くというW杯、前回の開催国韓国は確かに豊かになったのだろう。

一方2004年オリンピック開催地のアテネは豊かになっただろうか、これはあくまで私見だが、私たち家族が2006年にギリシャの島々に海から陸からたどり着いた時は、首都のアテネ市内も急場しのぎのホテルが立ち並び、火災法がまかり通っているのだろうかとおもわれる避難経路がわからないアパートが林立していた。

私たちが宿をとったのは首相官邸のある地区のホテル街のすぐ裏道、アクロボリスの丘の麓のアパートでの短期滞在だった。近くのアルジェリア人の経営するインターネットカフェに通い、地元ギリシャ人が集うマーケットで食料を買い、観光の合間にW杯を街の人々と一緒に観戦していた。しかしそこにはきっと20年前も何らかわらない暮らしがあったにちがいない。決してオリンピックの開催で豊かになったと言えない経済、(とくにEU ドルを導入した後だったので、一番ダメージを受けた国と思われる。)が展開していた。観光客が来るアテネ空港近くの市内オリンピックスタジアム、地下鉄、観光の目玉であるアテネ国立考古学博物館近辺は確かに整備されていたが、表面的な開発で終わってしまったようだった。地下鉄も、港もここ数十年きっと同じ様な暮らしが陽気に続いていたんだろうと容易く予想された.
(上記はギリシャの港町)

W杯は確かに悲喜こもごもなドラマを、経済波及をオリンピック以上に起こしているようだ。ここアメリカのテレビをもたない私のまわりの人々の間では、ソ連や中国のように国をあげてのスポーツ、国粋主義を謳歌したオリンピックは結構毛嫌いしているが、そんなかれらもワールドカップはそれほど嫌がらない。そんな彼らはアメリカチームを応援しているより、ただ観戦して楽しんでいるようだ。または母国、祖国を応援している人々も多い。もう何世代もアメリカに移民しているのに、この国の市民なのに文化が希薄だと思っているのか、アメリカに属しているという意識が薄く、自分は何々系の移民だからといったことを誇りにしている人が子どもが少なからずいるし、どこの学校でも生徒の祖国の調査をよく社会の宿題として出している。

アメリカから南アに移民しようとしている友人と、日本から南アに修行に行っている知人の仏教僧がいる。ふたりともワールドカップ時期は、南アから逃れて来ている。ねこも杓子もサッカーに興じていたっていいと思うのだけど。映画「インビクタス」の事実は確かにあったが、やはり人種差別は隔離こそされないにせよ、未だ歴然とあるという。そんなに人々の心はかわらないと。南ア出身のユダヤ系の友人も人種のことは口に出さないにしろ、アメリカでも家族全員が医師で、高級住宅街に住む。南アでも米国でも目に見えない格差は大きな精神的な壁となってそびえ立つ。でも人々の歩み寄りが、ハーモニーがたとえ一時でもサッカーを通じて行われるなら。それはよろこばしいことではないだろうか、
そんな簡単なことではないのもわかる。数年前に私が勤めていたNGO市民運動のプロフェッショナル開発訓練、Conflict Transformation 闘争を転化させるためのワークショップをする大学院のコースに参加のためやって来たマンデラ側近のある南ア学生が言っていた「僕たちは国を治めるとは、どんなに大変かを知っている。それでもこうして手に入れたんだ。土台作りに何年かかっても、人々の心が変わるのは更に何十年かかるだろう。それでもやらなくちゃ行けないんだ。自分たちの国なんだから」といっていた言葉を思い出した。

南アの未来にエールを送りたい。
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2 件のコメント:

  1. newopenhorizons2010/06/18 21:06:00

    newopenhorizons さんのコメント...

    南アフリカ盛り上がっています。開幕戦後、インタビューしましたが、皆、これほど南アフリカ人であることを誇りに思えたことはないと。南アフリカがゴールした瞬間の気持ちは、人生に何度あるかと思うほどの、決して失いたくない感動です。
    日曜日, 6月 13, 2010

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  2. モンタギュー2010/06/18 21:46:00

    前回の投稿記事と今回の記事を別々にする前にコメントいただいていたんですね。ありがとうございます。はじめましてですよね。それとも私が南アで検索してお邪魔した方かしら。
    でも、本当に南アにはがんばって欲しいです。また南アの様子お伝えください。

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