アメリカの銃規制最新速報、近くの少年の死から考える

先ずは日本からのインターネット版新聞の引用で、12日前時点での概要を

米国:アリゾナ州銃乱射 事件受け、銃規制の議論高まる

毎日新聞 2011年1月12日 東京夕刊

【ロサンゼルス吉富裕倫】米アリゾナ州で米下院議員を狙った8日の銃乱射事件を受けて、米メディアやインターネット上で銃規制の是非を問う声が高まっている。しかし、銃を持つことが憲法上の権利とされる米国で、規制強化が実際に進むかどうかは不透明だ。
ジャレド・ロフナー容疑者(22)は昨年11月、半自動式拳銃を銃器店で購入し、少なくとも31発を続けざまに発射し一気に20人を死傷させた。 弾倉の交換時に周囲の人に取り押さえられており、弾倉に込められた弾数が少なければ、犠牲者は少なかったはずだとみられている。
このため銃規制推進派の複数の上院、下院議員らは、事件で使われたのと同じタイプの大容量弾倉の販売を禁止する法案の作成を始めた。ほかにも国会議員や政府職員の近くで銃を携帯することを禁じる法案が検討されている。
事件のあったアリゾナ州は銃規制緩和の方向に進み、昨年、21歳以上の成人が許可なく銃を隠し持って携帯することを認める法律を成立させた。どこでも誰でも銃が持てる状態に近く、事件を捜査する同州ピマ郡の保安官は「新法が事件の一因となった」と指摘する。
81年のレーガン大統領暗殺未遂事件をきっかけに銃規制強化法が成立したが、州ごとに規制の厳しさは異なり、銃規制推進団体はアリゾナ州をユタ州 に次いで全米で2番目に「緩い州」と位置づけている。アリゾナ州議会には昨年の新法に加え、大学構内で教授や学生が銃を携帯できるようにする法案も提出さ れている。


*追加情報、
6年前に改変された銃規制によると、連発銃の弾倉の販売が緩和される。 文末のビデオ参照。
 ビデオの中で、司会のレイチェルは訴える。どうして弾倉の販売が規制されないかと。どんな事でも法できせいできないものか。

追追加:
又今回アリゾナ州、国境近くの街の乱射事件をとりあげて、
アリゾナは、宗教、人種、政治的な立場の溝が深いところだがとして、ある日本人ジャーナリストは、下記のようにまとめています。


911/USAレポート』第493回「アリゾナ乱射事件の影にある「宗教、人種、銃規制、
イデオロギー」を乗り越えたオバマ」 冷泉彰彦(米国ニュージャージー州在住)の記事より抜粋

アリゾナは人種問題
でも厳しい対立を抱えています。一番の問題は、現職の共和党知事のジャン・ブリュ
ワー女史の施政下で打ち出された「不法移民取締法」です。「英語が話せないヒスパ
ニック」と見られたら警官は職務質問をしても良く、そこで身分証明ができないと即
座に逮捕できるという法律は、全米から激しい批判を浴びていますし、州内を二分す
る論争になっています。今回の事件の背後にそうした問題があったとなれば、それこ
そ大変な問題になるのです。というのは狙撃されたギフォーズ議員は「取締法反対派」
の急先鋒だったからです。
又彼女は穏健派ユダヤ教徒でもありました。
狙撃犯が彼女を狙ってしまったことで、
ユダヤ系の人々は静かに深く怒っており、
また警戒の感覚も持っています。今週の前半には、連邦議会全体が厳戒態勢を取った
というのは、その一つの反映と見ることができます。そして穏健ユダヤ系を核に、あ
るいは接着剤としてきたリベラル系のエスタブリッシュメントも激しい不快感を持っ
ているように思います。CNNやNBCなどそうしたグループに近いメディアは本当
に本腰を入れて「徹底追求」の構えになっていたのには、アンチ「右派」というセン
チメントだけでなく、この問題もあるのです。

ある意味では地下水流というべきこのトレンドには、共和党の穏健保守派も加わっ
ています。勿論、その中心にはオバマ大統領を中心とした穏健リベラルの「本流」が
あります。そして、今度という今度は、病的な「アンチ・ユダヤ」「アンチ・カトリ
ック」は許さない、それがほとんど国家意思になってきている、そこまで言っても良
いぐらいのモメンタムが動いています。例えば、ブッシュ大統領を支持した福音派な
ども、移民取締法を作ったアリゾナの州政府などもこの「乱射事件を許さない」とい
う大きな流れに合流していると言って良いと思います。

捜査はまだ初期なので、何とも言えないのですが、ロフナーという狙撃犯は、実は
政治や宗教には関心の薄い人物という説もあり、反ユダヤとか反リベラルいう問題は
動機でも何でもない可能性はあるのです。ですが、他でもない「西部のアリゾナで果
敢に頑張っていた穏健ユダヤの民主党議員への暗殺未遂が起きた」というだけで、こ
うしたモメンタムはストップできないものになったということです
今回の追悼式は人種、宗教、政治右派左派の壁を越え、共通の目的の下に「和解」の演出の場となりました。

Defense Rests In Mass. Uzi Death Trial - Courant.com 

昨年、ここリベラルとされるマサチューセッツ州 でも信じられない8歳の少年の銃事故がおこった。

そして、

8歳の少年を銃の事故で死なせたのはだれの責任かと

裁判がおこなわれた。

 

小さな街の元警察署長が、銃会社のオナーとしてガンショーを開催した。(銃の見本市で、子どもは入場無料)このガンショーの宣伝に、年齢無制限、資格も許可も不要で自動小銃が撃てますと書かれていた。

父親と遊びに来ていた8歳の子が、パンプキンに向けて発砲する長蛇の列にならんだ。

その列の監視役には、資格をもたない15歳の少年があたり、

父親から、息子にもやらせろといわれて、15歳の少年は息子に引き金の手ほどきをしてみせる。

自動小銃の危険性もろくにしらない、監視役の少年と、父親の前で、

8歳の少年は、パンプキンに発砲するはずが小型自動小銃の事故で

自分の頭に弾丸をうちこみ死亡した。

 
MNS BS レイチェルマドーショー、ニュースより



 この元警察署長には、最高で20年の非謀殺の罪で求刑がだされている。

しかし陪審員の再選択が行われたり、被告人元署長の健康状態が悪いため、陪審裁判がまだ再開されていない。  

これを防ぐ手だてはなかったのか、法規制は、彼が誇大な宣伝をしたこと、

資格のない年はもいかない15歳の少年に、銃発砲の監視をさせた事への求刑であった。

もっともっと、法による銃規制があれば、今後こうした事件が防げるのに。

「憲法で銃保持の自由が認められている」と云うことが要だが、

それならば、弾丸を高額で売るとか、弾丸を連発するのを防ぐ方向へ法規制する方法もあるのではないかと、

ここ数年、法の下の自由との絡みで、敢えて触れられていなかった銃の法規制が再燃しそうだ。

 

一方、犯罪率が高いニュージャージー州ニューアーク市長は、

下のビデオの如く、ガンショーを規制し銃規制に乗り出した。

当市では、本人の犯罪暦や精神病歴を調べてから、銃の販売をするとのこと。

市長は「それでも海外からドンドン我が国の各地で展開されている銃見本市にやってくる人間が多くいる」と憂う

トークショーのホステス役のレイチェルは、連発銃の弾丸銃創などの規制も訴える。


マイケルムーア監督のコロラド州、コロンバイン高校銃乱射事件を題材としたドキュメンタリー映画「ボーリングfor コロンバイ」の映画放映から8年経った現在、銃規制は厳しくなるどころか、緩和された。

ムーア監督はメディアと政府が市民に植え付けている暴力への恐怖心がどこから来るかを言及している。アメリカ建国の経緯に大きく纏わる先住民族インディアン大虐殺・黒人奴隷強制労働以来、アメリカ国民の大勢を占める白人が彼等からの復讐を未来永劫恐れ続ける一種の狂気の連鎖が銃社会容認の根源にある事を突き止める全米ライフル協会のロビー活動も紹介しながら、

銃による年間の死亡者数を国ごとにあげてみると、米国が桁違いに多いのがわかる。

  1. United States - 11,127 (3.601 per 100,000)
  2. Germany – 381 (0.466/100,000)
  3. France – 255 (0.389/100,000)
  4. Canada – 165 (0.484/100,000)
  5. United Kingdom – 68 (0.109/100,000)
  6. Australia – 65 (0.292/100,000)
  7. Japan – 39 (0.030/100,000)
そこでムーア監督は,市民が暴力への恐怖という信じ込みに対する自警のために携帯するとした銃が、アメリカでは逆に銃による死亡が多いのはどうしてかと、視聴者に問いかけている。


 


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