経済の二極化

アメリカ経済の二極化は今にはじまったことではないが、
金のあるところには、どこまでもお金が集まるという構図が
米国の暮らしでさらに拍車がかかっている。

つまり中間層の暮らしづらさと、もともと低収入な家庭も生活がドンドン脅かされている。

医療制度しかり、
教育制度しかり、
税金制度しかり、
住宅事情しかり、
雇用の実態しかり、
アメリカンドリームというけれど、実際には日本の今風の勝ち組のごとく
年収1千万以上軽くなければ、家族がいると
ぎりぎりの暮らしを強いられる。
 程々に中間層という人々がどんどん暮らしのあちこちで脅かされているからだ。

歯科医は分化が進んで、たとえば歯科矯正だと、矯正医の他、歯科医、歯科根治治療医、口腔外科医、衛生医、ともし高額な歯科の保険に入っていなければ、それぞれ二−三千ドル(2−3十万円)づつ請求されたりする。
そして教育、以前にも書いたように、公立私立どちらも(自州でなければ)授業料だけで年間400万近くを
多くの学生が奨学金やローンで賄う。生活費もあわせると年間5万ドル以上を4年大学だと必要になる。
よって卒業時には100万ドル(1.1千万)単位の借金を背負う。

税金は控除の申請対象が確かに多いが、年金制度に医療制度にがっぽり持って行かれる。
投資でも、蓄えから投資額の年数によって、ここマサチューセッツなどは、州税へ、さらに連邦税へ申請が義務づけられている。
職場で差し引かれてから、さらに個人が自分でもしくは税理士に依頼して、国へ各州へそれぞれ確定申告する。

住宅制度は都市の不動産額の高騰とともに、郊外や田舎でもマイナス経済成長であっても、あちこちにいる高額収入者が高値で買いとるので値を下げない。

大学を卒業しても、大学院で博士号をとっても、経済や理系の先端技術でなければ就職は困難である。


それでも若者は何を頼みにして、教育を受け、将来の希望を見いだせというのか、親として、教育者として指導にあたると迷ってしまう。

たとえばfacebook を創設し20代でビリオネラーになった Mark Zuckerbergの例や、
ハリーポッターの映画主役ダニエルは4っ目のマンハッタン億ションを購入した。
日本の国の財政から収入をえている歌舞伎役者が六本木で豪遊していたり、
インドの若きムンバイの億万長者がマンハッタンのど真ん中に数億ドルかけて高層住宅を建てたり




といったニュースを目の当たりにすると
自分もあたかもその可能性があるようにみえてくるようだ。
はたしてこうした一頃アメリカンドリームと呼ばれた成功物語は
誰にも努力と運があれば公平に可能性があるものだろうか。

こんな世の中で「お金が全てじゃないのよ」と青少年たちに説くには、よほどの説得力がいる。








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